過小評価。
これは暫く前の話なんですが、人を見た目などで過小評価したらびっくりするよ、って言う話です。
その人は走るのとトランポリンでジャンプするのが大好きな人です🏃♂️
発語がなく、読み書きも全くできず、身の回りの事もヘルプをしてくれる人がいないとこなせなかったんですね。
その人は、毎朝「センター」と呼ばれる職業訓練の場所へ行くんです。
家の前にお迎え🚌がやって来てそれに乗って行くんです。
センターには沢山の人達がいて、スタッフも大勢いて賑やか🎪
その人はセンターが好きなんです✨
実は、このセンター通いが始まる前、親御さん達が心配していたんですよ。
「この子大丈夫かしら。逃げ出したり、他の人に暴力を振るったりしないかしら😔」と。
そうなんですよ、この人は割と暴力的だったんですね。
それで、センター通いが始まる前に何度も親御さんとセンターの所長さんやリーダーのスタッフの方達と何度もどんな方法で環境設定をしていくかと言う話し合いをしていたんです。
今までの行動プランの説明や、データの取り方、大まかな介入や療育のポイント等を話しました。
そして、さあ、いよいよセンター通いが始まりました。
思った通り!
うわわわわ!!!
センター内で、
逃げる、隠れる、立ち入り禁止の所に入る、叩く、抓る、叫ぶ!!!
やりたい放題し放題
うん。予想通り、ですね。。。
どうしたもんかな~と思い、センターに見に行ってみました。
うわ!暴れるてるじゃん!
スタッフの顔はパ二クっているし、その人は「やってやってまーす!」
みたいなどや顔してるし!!
丁度私がセンターに着いた時、その人は立ち入り禁止の部屋に入ろうとしていたんです。
立ち入り禁止って言っても、危険な場所じゃなく、特別な場所だから入らないでね、と言う事なので、安全第一の応用行動分析は先ずはそこはクリア🙆♀️
スタッフは必至でドアを抑えてその人が中に入らない様にブロックしてる。
スタッフも必死です🔥
でも。
ダメじゃん、それやったら!!
そこでスタッフにこう言いました。
「そこよけていいよ😌」
予想通り、スタッフの顔「?????」
笑いたいのを必死で堪え、
「大丈夫、一旦そこよけよう☺️」
と言いました。
スタッフはまだ腑に落ちない様子でしたが、しぶしぶその場をよけます。
その人、立ち入り禁止の部屋の中に入ります。
スタッフ、私の顔見ます。
私、{大丈夫よ👍}の合図をします。
ほっときます。
スタッフ、また私の顔見ます。
私、{大丈夫よ👍}の合図をします。
スタッフ、不安そう。(笑)
数分後。
その人 普通に歩いて出てきました。爆笑。
ね、だから言ったじゃん!
ダメって言われるとやりたくなるもの~!
何で「ダメ」と言わない方がいいかを応用行動分析的に説明すると、
「そこに入ってはダメ!」
と言うこの文章。
よく見てみてください。
やってっはいけない事しか言ってなくて、やって欲しい事に関しては何一つ触れていないんですね。
脳が「そこに入」と言う言葉だけを汲んで「そこに入」と言う情報だけが頭の中に入って行ってしまうのかな。
だから、子供や旦那にやってはいけないことを教える時は、
「そこのタンスは触っちゃだめよ」
ではなく
「そっちの引き出しに〇〇が入っているから勝手に取っていいよ。」
と言うと、別の方向へ注目を方向転換できるんですね。
この人の場合、既に「そこに入っちゃダメ!」と言ってしまっていたので、
先ずリセットも含めて何も言わない、「ほっておく」と言う手段を使いました。
そして、この人の場合もう一つ要因があったんです。
そこのセンターが「新しい環境」だったと言う事。
普通は、新しい所へ行ったときって一通りその建物の中みたいじゃないですか。
それで結構安心するでしょ。
それ、してなかったんですね。
だから、こうしました。
その人が「この建物の中はもう分ったよ」
と言うまで、朝一必ず建物の中をぐるっと一回りしてそれぞれの部屋やスタッフ、同僚の人達の紹介する。
きっと、私が思うに、その人にとってはただ単にそこが何か知りたかっただけの様な気がしてならないんです。
朝一建物見学ツアーを毎日2週間。
それで立ち入り禁止の部屋に入ることは一切なくなりました😊
なので、スタッフとのバトルもほぼなくなりました👌👌👌
と言うお話です。
発語がなくても、頭の中が私なんかよりずっと優れているんですね。
発語がないからって、分かっていないわけじゃないんです。
実は私達よりもずーーーっと分かっているのに、現代のテクノロジーが追い付いていないから彼らの脳で考えている事を伝えられない。
残念ながら私達自身の能力もそこまで長けていないから、彼らの言いたいことを理解してあげられないんです。
だから、相手がどんな相手であれ、過小評価はできないんです。
どんな過去があるのか、どんな状況に置かれているのか全く知らないで相手の行動を評価するのはちょっと誤差が出すぎるかもしれませんよね。
今回のこの事例は、スタッフが
「この人は暴れる傾向あり」
と言う情報の元で受け入れたので、
この特定の行動をただ単に「暴れている」とだけ理解してしまったんですね。
この過小評価の続きもあります。
一旦休憩です。
では、また後程。。。
うーん。明日かも。。。