mina’s blog

二児の母。アメリカのユタ州/コロラド州で応用行動分析(ABA)を駆使して国際認定行動分析士(BCBA)、ユタ州認定行動分析士(LBA)としてアメリカをベースに活動中!ユタ大学特殊体育修士号。フロリダ工科大学ABA 大学院コース終了。問題行動児大好き🌱 minafujiwara42@gmail.com 

泣いてゴネてからのアイス

私達、BCBAは親御さんの指導も常にしています。

 

家庭環境はとっても大事で いくら学校や他の場所でいい子でいても、出来る事沢山あっても 結局その先生や指導者の方々は一生その子の面倒は見てくれないですから。

だから親御さん達に自分の子供のエキスパートになってもらいたいんです。

だって、そこには無二の愛があってそれは絶対普遍なんですよ。

それなのに、問題行動があって上手くできなくて「私ダメな親だ」なんて思ってる親御さん見たら辛過ぎますよ。

違うの〜〜!方法を知らないと言うことと、ダメ親とはイコールにはなりませんよ。

例えば、ある家庭でのお話。

そこに問題行動のある子がいたんです。小学校低学年くらいでした。

色々調べたり、記録を取ったり、実際に見たりして恐らくこんな感じだろうと言う結果を基に計画を立てました。

計画の段階で自分でも結構「やってやったぜ」って言う感じはあったんです。

 

私って てんさーい🤩

なんて自惚なから子供の行動が変わるのを待ってたんです。

 

数週間後、親御さんからの報告によるとまっっっったく行動が変わってないって言うじゃないですか!WHAT????

 

いやいやいや そんな訳ないでしょ!?

残念。非常に残念。

結構話して、こうしてね、ああしてねって言って、始めたのに、ぜーーーんぜん変わってないってどういう事~~!?

 

変わっていない行動の一つが 物凄く泣くんです。床にゴロゴロしながらじだんだ踏んで泣くんです。

いやいやいや それもスパッとなくなってるはずじゃん!!

おかしい。

スゴくおかしい。

 

私、人前で偉そうに話すの大好きなんですけど、実は説明するのスゴイ下手で(じゃあ話すな!笑)、だからきっと私の説明の仕方が悪かったんだなって思ってたんです。

つまりは、そう言う事なんです。。。うまく伝えるって至難の業ですよね。

あぁぁ、出直すですわ。やっぱり、やり直し。出直しです。

 で、もうちょっと説明をする事も含めもう一度色々してみたんです。

そしたら分かっちゃったんですよ。何でか。

 

子供泣いた瞬間、親御さんこう言ってたんです。

「分かった分かった。アイスあげるから。」

 

ビンゴです~~!!!

 

アイスは泣いてからあげちゃっダメー🙅🏻‍♀️🙅‍♀️

 

どうやらその子の中では、

アイス欲しい泣くとアイス貰える

と言うシステムを確立しちゃってたんです。

 

子供さん自身が親御さんの行動をシステム化していたんですよ。

一番効率いい方法で。ちょっと泣いたらアイス貰えるなんて。

子供って本当に賢いんですよ!凄い観察力。BCBA顔負けの凄腕です!!

 

発語がなかったその子は、そう言う方法で人生を乗り切っていたんですよ。今まで何年もずっと。

そこからは、上手にお願いが出来るようにする為の計画に切り替え作戦を練り直し。

 

①先ずは、初めから親御さんがアイスを持って家の中をうろつく。

②そして、あたかも偶然アイスを持っていたかの様に振る舞う。

③親御さんがその子にどんどん近づく。

④最終的にそこ子の所に行って、親御さんがその子の手を取って、指を指さしの形にしてあげて親御さんが持っているアイスを指差す。

⑤その瞬間「どーぞ😊」

と言って渡す。この時のアイスの量は「うわっっっ!ケチッッッッ!!!」って言うくらい少ない。

少ないので、また食べたくなる。

⑥で、また同じ事を繰り返す。

 

3回目くらいで大体自分で指差しが出来るようになる。

 

次は、その子がわざわざ数歩 歩いて親御さんの所に行かないと指がさせない程度の距離に移動して待つ。この数歩って言うのがポイントで遠すぎるとダメなんです。

 

これを繰り返していくと、子供が

「なるほどね🤓欲しい物に指さしたら貰えるって言う仕組みなのね~!」

って覚える。

 

これ、システム化です。

 

ここでのポイントは、環境(アイス:その子が一番欲しい物、それを泣く前に提示、アイスがすぐ貰える)をあたかも偶然にようにしっかり予め準備してる事。

これで、「教える」は終わりです。

 

後はこれを「繰り返す」です。

 

この子、この方法を繰り返して数年後には分かりづらい部分もありましたが、結構話せるようになりました。

なので、指差しだけでなく「アイスちょうだい」をちゃんと言えるようになりました。

 

あ、でもこれは話す訓練ではないので、たまたまその子は「喋る」と言う機能を持っていたのに、効率よく使われてなかっただけなんですね。

そこに「ちょうだい」の訓練を段階を追って出来たので、色んな場面で応用が利く様になりましたって事です。

 

と言うか、逆に言うと、言葉を使ってコミュニケーションを取ると言う方法を教わってなかったんですね。

人間それぞれ持っている機能が違います😀だから、子供は勝手に「ちょうだい」や「話す事」「勉強の仕方」や「社会性」を覚えるかと言うとそうでもなかったりします。

それぞれ個々の機能にあった環境を整えていくのがBCBAのお仕事です。

 

それと、このブログで紹介している事はあくまで例であって、どんな子にも効くかって言ったら決してそうじゃないかもしれません

それぞれの環境や過去の経験、検査、記録、評価の結果に基づいて私達が持っている引き出しをくまなく変えてこその結果なんですね。

 

ブログでは書ききれない程の血と涙と汗の結晶なんですよ、全て😊💦🔥

 

なーんて偉そうな事言っちゃっていますが、いつも親御さんと話す時、自分の事も戒めながら話しています。

BCBAのお話、これからもどんどん続きます。