mina’s blog

二児の母。アメリカのユタ州/コロラド州で応用行動分析(ABA)を駆使して国際認定行動分析士(BCBA)、ユタ州認定行動分析士(LBA)としてアメリカをベースに活動中!ユタ大学特殊体育修士号。フロリダ工科大学ABA 大学院コース終了。問題行動児大好き🌱 minafujiwara42@gmail.com 

光が見えなくても喋れなくても。

この子は目が見えなくて、話せる言葉の数は10個くらいで、トイレトレーニングもできていない子でした。

とってもいい子で、音楽を聴いたり、自分の部屋でゆっくり時間をすごしたり、お母さんとお買い物に行くのが好きな子で。

兄姉とも仲が良くて、いつも一緒にいたんですよ。

 

それがある時期を境に物凄い暴れる様になりました。

特に朝学校に行く前。

凄いんです、本当に。

大人5人がかりでも連れ出せないほどの大暴れっぷり。

外に出た瞬間、全部洋服を脱いだり、吐いたりも始めちゃって。

しかも折角少しは話せたのに、それがほぼゼロになってしまって。

今まで絶対にお父さんには攻撃しなかった子が追い回して攻撃するようになっちゃって。(目が見えなくても家に中は自由に歩き回ることができるんです)

お母さんへの攻撃具合ったら、もう半端ないですよ。

車で出かけようもんなら、お母さんの運転中に後ろからヘッドロックかけたり、目隠しする。

これはもう、どうしたもんかと。

行動分析の強みは実際に問題行動のある所へ出来るだけ出向いて行って、実際に起こっている様子をきちんと見て、記録(データ)を取ってそれを分析して、対処方法を見つけ出すと言うところです。

なので、朝 6時半にそのお宅に行って実際にその様子を見たり、親御さんと何度も話をしたり、行動の記録を取ったり、学校とミーティングを重ねたりして、

 

沢山のデータを分析して、やっとなんですが分かっちゃったんです🤩

 

その子は、学校が嫌と言うより、学校がうるさいのが嫌だったんですよ(結果、学校が嫌いだったんですが)。

静かな所が大好きでのんびり過ごしたいだけだったみたい☺️

 

なので、学校と親御さんにはこう提案してみました。

1、一応毎日学校に行く、と言うことにはしておく。

2、お母さんが毎日決まった時間に起こしに行って、「今日は◯◯先生の△△の授業があるよ」など軽くその日の日程を伝える。

3、それで、その日行くかどうかを聞く。聞き方は、「学校?それとも部屋?」です。

4、例え「部屋」と答えても「いいよ、じゃあ今日は部屋にいてね😊」と言って部屋を出る。←これ超ポイントです。

その子が行きたくない日は強要しない。

3、学校と答えた日は、一緒に準備して学校へ送り出す。

重要なのは、どっちの答えでも確実にOKにすること。

実は、これが確実にコミュニケーションとして確立するには結構な回数のアレントレーニン(親御さんへの指導)と時間を要しました。

 

アレントレーニングで一番大変なのは、親御さん自身の行動を変えて初めて、子供さんの行動が変わるんだと理解して貰う事です。

親御さんの行動の良し悪しだけではなく、その子が何である特定の行動をしているかと考えた時、「親」と言う環境要因は絶大で、その子にとっては無くてはならない存在。

だから、そのあり得ないほど大切な「親」がその子の親として一流になってくれたら、子供にとってはこの上ない極上の人生を送れる宝物なんですよ!

だからと言って、私が胸を張って「私一流ですわ👌」

と言えるかと聞かれたらそれは

「いやあぁ。。。😅それはどうかな。。。」

と言ってしまうんですが、

それでも、最低限この子達の母親として一流になる努力は欠かしていないことは胸を張って言えるかも😌

 

そんなこんなで何とか親御さん頑張ってくれて。

実はその子、2年間学校へ行けないでいたんですが、この方法をやってみてから数ヶ月で週に2〜3日は自ら進んで学校へ行けるようになりました。

学校のうるささは変わらなかったんですが、この子が盲目でほぼ発語ないのに、思った通り、理解力はかなりあって。

お母さんが毎朝言って聞かせていた「その日の予定」を聞いて、他の日よりも静かな日を選んで行っていたようなんです!!!

そして、学校へ行った次の日は大好きな部屋でしずかーに過ごして自分を落ち着かせてからその翌日に行く、みたいな事もしていました。

 

「喋れない」は「分かっていない」ではないと言う証明ですね🤩

喋れないからこそ、理解していることがあるって言うことです。

 

この子にしてみたら、どうせ「学校に行きたくない」と言う様な趣旨の言葉を発しても、どうせ聞き入れて貰えないなら、喋らんわ!

となっていたんでしょうね。

すごい納得ですよね。

いくら子供でも、それが例え十代の思春期の子であっても、ましてや大人であっても、発した言葉を受け入れてもらえないなら、言わなくなりますね。

 

そしてお父さんの母さん自身の行動改善のお陰で、なくなってしまっていた言葉も元々の倍くらいには増えて、今まで通りのハッピーな子に戻りましたとさ😊

 

あー 楽しかった!ありがとうございました😊